シリーズ【ラフを作ろう!】③画面割りをする

前回は、題材のまとめかたについてお伝えしました。

今回はその考えた題材について、どのよう画面を作っていくか について書いていきます。

この記事では↓以下の内容について触れています

欲しい画から作る

絵本の絵を考えるには 欲しい画から作る という方法がお勧めです。

 

私は、あまり細かくプロット(構成)や文章を決めてから絵作りに移るのではなく

この話で起こしたい出来事にはこういった画面(絵)が不可欠だろう という考えで

まずぼやっとした頭のストーリーを 画面で組み立てていきます。

 

例えば、お話の中で 主人公が誰かと喧嘩してしまって、相手を泣かせてしまった というエピソードを書きたいとするなら

絶対に 喧嘩をしているシーン や 相手が泣いているシーン(話のポイントによっては喧嘩のシーンに含んで済ますこともありますが) は不可欠です

更には、喧嘩をするのであれば、そのシーンの前には 喧嘩をする理由となるシーン が必要になるわけで

その喧嘩をした後には どうやって和解をしたのか?していないのか? その後の結果のシーンが必要になるわけです。

 

そんな風に、まずはメインとなる出来事(大きな事件) を決めて、その絵を思い浮かべることによって 必然的に前後のイメージも決まってくるわけで

その要領で、全体としても 芋づる式にいろんなシーン(画面) が想定できてくるはずです。

 

ここで大切なのは、絵はあくまでまだ決定でないので 思いつくままに気軽に、適当にメモしてくこと。5×3cmくらいの大きさでもいいかと。

そして、描いた画面を ハサミで切り抜いて 並べ替えるなどして検討するといいです

 

ストーリーは、最初から作っていこう!と思ってしまうかもしれませんが、ラフ作りに慣れていないと、メインのページに辿り着かないままページを割きすぎてしまったり

ページを埋めようとするあまり、要点の絞られないエピソードをたくさん詰め込んでしまったり してしまうので

この、欲しい画から作る というストーリー作り ぜひ試してみてください。

 

決められたページ数におさまっているか?

そして、大体いろんなシーンが出揃ったかなと思ったら、決められたページ数におさめるよう 整えていきます。

決められたページ数って? ってことなのですが、絵本はページが決まっています。(基本的には。よほど売れっ子になったりして自由に作ったりできる場合は別ですが。)

11見開き または 15見開き のどちらかにおさめます

上の絵をご覧ください。

3歳くらいまでの子へ向けた絵本であれば11見開き、それ以上を対象としたものだと15見開きになるのが一般的です。

その見開きにプラスして、見開いた1ページ目を閉じると、隣り合った片面ページ(左手にピタとくっついているページ)がいるわけで、最後の見開きを閉じると右手にも片面ページが存在するわけで

それらの1番最初と1番最後の片面ページを使ったりもします。

そのため、見開き という単位でなく、片面ページで数えていくと、最大32ページ になるわけです。

この、最初と最後の片面ページたちを、ストーリーの画面の1部として使うのか、ただのタイトルページとか、挿絵だけにするのか ということに関しては

出版社や、絵本のコンテスト、編集者によって バラバラです。

因みに水曜えほん塾では、前後の片面ページたちもフルに使ってどうストーリーを展開していくか という考えです。最近の新しく作られる絵本たちはそういう構造になっているものが多いようです。

 

絵本のコンテストに出したい場合は、そのコンテスの応募要項を調べて、沿うようにまとめる必要があります。

 

この、ページ数なのですが、結構シビアに見られるところです。

ちょっと多くてもいいか〜とか 少なくてもいいか〜とか そういうのは、ないです。

絵本塾で有名な あとさき塾 では 決められたページで作っていないラフに関しては、目を通してくれないそうです。 コンテストでも、審査しません というのもあります。

それくらいページはきっちり守って作るというのを 意識した方がいいです。

 

絞り出した画面のイメージを、並べ替えたり、多ければ減らしたりなんだりしながら、11または15見開きと、場合によって前後片面ページも使い、きっちり収まるように整えていきましょう。

 

演出を考える

さて、この演出を考えるというのは 次の段階のお話です。

最初のうちは、決められたページ数内に エピソードをおさめていく それだけで、いっぱいいっぱいなのですが

もしも、少し余裕ができてきたり もっとレベルアップしたいな という時には 演出 という観点を持って 作っていくといいです。

 

絵本というのは 言ってみると 一人で作る映画 みたいなもんです。

脚本・演出・映像・・・ 全て自分1人です。普通は大掛かりに たくさんの人が介在しないとできないような映画をまるっと一人で、やっちゃう感じです。

そこが、とっても難しくもあり やり甲斐もあり 面白みもある ところです。

 

映画や、漫画でも、アニメでもいいのですが、ちょっと思い出してみてください。

例えば、主人公が仲間外れにされて、孤独を感じているシーンがあるとします。

そういったシーンは、どんな感じで映されているでしょうか。

 

笑顔で、ドアップの主人公がいる という画には 絶対なっていないはずです

多分、教室なり、公園なりで 周りの楽しそうに遊んでいる子たちと、そこの輪からポツンと外れて俯き加減で立っている主人公 その2つを 遠くから映している(ひきのアングル) ような感じで 描かれると思います

 

そんな風に 意図したいシーンを描くために どんな画で? どんな構図で? どんなアングルで? 見せていくか というのが 演出 という観点での考え方です。

 

映画・漫画・アニメ・舞台・テレビ番組・・・

様々な他のメディアの演出 を、考えながら鑑賞したり、またそれを取り入れたりできると

一歩進んだ絵本を作っていくことができるのではないかと思います。

 

詰まった時の対処法

どうやって描いていけばいいかわからないな・・・ という時に、インスピレーション得る方法をお伝えします。

絵本の型を真似してみる

絵本は、展開の型 というものがあります。(ここは詳しく研究してまたブログにまとめたいところであります)

どんな内容を、どんな風にみせるか で、相性のいい型 が決まっています。

 

例えば、ヒーロー系主人公が何か特殊能力を使って相手を倒すタイプの話 であれば

必ず最初に ミッションが提示される→様々な的と戦う(割とスムーズに進む)→メインのボスなり、出来事に遭遇して悪戦苦闘→ピンチ!になるが、秘策や奥の手で乗り切る→めでたしめでたし

となる訳です。アンパンマンのストーリーを思い出してもらえると、そんな感じです。

 

そんな風に、話の筋と、展開の仕方というのは もうある程度型が決まっているわけで

そこに、どうズラしたりとか、もちろん内容やキャラクターや絵やテキストが違えば、違う印象になるわけなので

自分のやりたい内容が 既存の本のどれに似てるかな? というのが分かれば

その本の展開を参考に、自分のストーリーを当てはめていくと、作りやすいです。

 

フォトアルバム・ショートムービー・短編漫画を参考にする

既存の絵本を真似するというのは どうもオリジナリティが無いようで性に合わないな という場合は、違うメディアで親和性が高いものを参考にするといいです。

絵本を参考にするだと、もうページ数も決まってるわけですしとっても分かりやすく、やりやすいですが、これからご紹介するものは そのまま当てはめるではなく、そこから要素を抽出して、絵本というメディアに置き換えて、当てはめる必要があり 難易度はあがりますが

既存の絵本に無い アプローチの可能性が潜んでいるので 新しい表現を模索するにはいい方法だと思います。

 

フォトアルバム作品を参考にする

インスタにせよ、Twitterにせよ、アーティストに限らず誰でもが気軽に表現を発表できる場がある最近ですが

その中でも、フォトアルバム を公開しあえるサイトが 絵本づくりの参考には面白い と思ってます。

絵本にも、写真絵本 というジャンルがありますが、フォトアルバムというのは一枚ものの写真の寄せ集めで たくさんある写真の中から何かしら関連性のあるもので選んでまとめることになります。

そこに制作者の選んだ意図、ストーリーが感じられるものが多く、とても参考になります。

絵本は 絵 自体が、作品によって個性様々で、色んな要素があって絵本全体のイメージができあがりますが

フォトアルバムだと、現実をうつしとる、写真 という条件はどれも等しいので

そこから作品のストーリーや意図や展開などを汲み取るのは 絵本から汲み取るより もしかするとやりやすいのではないかと思います

 

いろんなサイトがあるのでぜひ調べて、見て欲しいと思います。因みに会員登録(無料)しなければいけませんが、私はphotobackというサイトのみんなの作品 というところにある作品を眺めたりしてます。

 

ショートムービーを参考にする

絵本は一人映画ということを書きましたが、じゃあ映画を参考にしよう としても、尺が違いすぎるので絵本に置き換えるのは難しいです。

ですが、ショートムービー というジャンルは、最大30分くらいの映画なので、そこでおさめられる話の分量と絵本とはとっても近いと思っています。

映画など定額制サービスもたくさんあるので、それに登録するでもいいと思います。

でも私はいつも映画ばかりから参考にするわけでないので、無料登録で、定期配信しているいくつかのムービーが見られるBrillia SHORTSHORTS THEATER ONLINEを利用しています。

しかし ここの登録ですがちょっと注意があり、利用規約にも書いてあるのですが、こちらのサイト運営しているところは、東京建物クラブBrillaClubというところも運営しており

映画サイトの登録するともれなく、そこの建物クラブのメールマガジンも届くようになってしまいます。

しかし、サイト運営側のメールに、建物クラブのメール配信停止の内容を伝えれば、止めてくれるので、一手間ありますが メールマガジンが好きでない方はそのようにしてください。

 

映画で扱われるテーマや内容は 絵本でそのままは扱えないようなものが多いと思いますが ぜひショートムービーの内容やまとめかたを参考に、自分のストーリーに置き換えて展開してみるといいと思います。

 

短編漫画を参考にする

絵本と漫画は近いと言われていますが ジャンプに連載されているような長編漫画だと参考にするには長すぎますが 短編漫画からですと かなり似たまとめかたができると思います。

例えばドラえもんとか、こち亀とか、クレヨンしんちゃんとか 1話完結ものの漫画もありますが

それらはほとんど展開パターンが同じところに、毎回ちがう要素で話を作っている感じなので

それよりは、短編漫画 として作られた作品の方が 参考になります。

その短編漫画の読み解きかたについてとてもいい本があるので、以下の参考文献で紹介します。

 

参考文献

マンガの創り方

この本は、とても詳しくモチーフ(動機)・アイデア(発想)を形にしていく手順が書かれています。

マンガでは、ネームという、割ったコマにセリフだけを書いていくもので編集と検討したりしますが、絵本ではラフです。

違いはありますが、ネームの前までは同じような道筋でアイデアを形にしていくことができると思います。

この本では、短編漫画を参考書として、話が進められているので、アイデアのまとめ方と、短編漫画の読み解き方が一気に学べます。

絵本づくりのトレーニング

絵本作家である長谷川集平さんが書かれた本です。

演出の観点を持って絵本を作られており、テクニックなどを説明してくれているのが参考になります。

次回は、画面割りをした絵を、ラフにするためにもっと詰める工程 ④絵をつくる についてお伝えします。

 

*最後までご覧いただきありがとうございました*