シリーズ【ラフを作ろう!】②題材のまとめかた

前回は、題材のみつけかたについてお伝えしました。

今回はそのみつけた題材について、どのようにまとめていくか について書いていきます。

この記事では↓以下の内容について触れています

お話を作っていくためには、自分が使う題材を、どの方向に持っていくか筋道を立てる必要があります。

物語の方向性を決める

一つの題材にも、様々な方向性が考えられます。その方向性の一つを選んで、お話をつくっていくことになります。

例をあげます。

道端で、犬がうんちしている姿を見かけました。貴方は、気にかかりそのエピソードを元に、お話を作るとします。 

まず、最初はそれをみて、どう思うか、から始まるはずです。

・かわいい!→小刻みに震えながら頑張っている姿がかわいい!

・臭そう→汚くて嫌だわ。

・かわいそう

→この犬はプルプル震えているけどもしかした便秘なのかも。かわいそう。

→この犬1匹でいるけどもしかして飼い主いないの!?かわいそう。

・ふざけるな!→ここは私の家の敷地内なのに、勝手にうんちしていくなんて。

 

その何がしかの 沸き起こった思い で方向性が定まり、お話が作られていくことになります。

かわいい!(沸き起こった思い)と思った人は、どんどんかわいいと思える状況にしよう(方向性)と、いろんな動物が出てきてはちょっと困った風に?とぼけて?真顔で?うんちをする話 を作るかもしれませんし

かわいそう(沸き起こった思い)と思った人は、なんとかしてあげよう(方向性)と、この犬を家に連れ帰って腹巻を貸してあげたり、食物繊維の食べ物を与えて介抱する話 を作るかもしれません。

 

つまり、一つの「犬がうんちをしている」事柄・題材を扱うにしても、受け手の【沸き起こる思い】は様々で、その中から自分だけの思いによって【話の方向性】が決まり、お話になっていく ということです。

 

ですが、私たちは普段、そんなこと意識しておらず、自然に考え、選び、作るはずです。

その自然の(ように思えて、実はそうじゃない)成り行きから生まれるのが 誰のものでもない、自分のおはなし なのです。

 

話の軸を持つこと

先ほどお伝えしたことを、頭の片隅に置いておいてほしいのです。

自分の作る話は、他の人と違うプロセスで思考が成り立ち、できあがってるんだ ということを。

私たちの頭は、色んなことを自然にやり過ぎているために、自身では認識しづらいことがあります。

その一つが、これからお伝えする 話の軸を持つ ことです。

 

何を伝えたいの?というと、ちょっと萎縮してしまうかもしれませんが、つまり話の軸を持つというのは、この話で何が言いたいのか ということです。

改めて問われると困ってしまう人が多いかもしれませんが、題材が決まった 時点で、すでにもう、意図せずとも、自然に軸を持っているはずなのです。

えほん塾の講評ではよく、「話がはじまらない」とか、「結局何が言いたい話なのかが見えない」という言葉を耳にしますが、軸を持って(認識して)、そこを活かすように話を組み立てていけば、こういった問題を解決することができるのではないかと思います。

 

お話は必ず、作者の軸があり、方向性があり、進めていくもの です。

 

自分が感じたことを思い出す

そこで思い出してほしいのが、先ほどの犬のうんちの話です。

①題材をみつけよう で、自分の中にあること もしくは 自分の外にあること で、題材をみつけたのであれば、その時にどんな風に心が振動していたのかを、思い出してほしいです。

その題材の事柄に出会った時、それについて 嬉しかった なのか、かわいい なのか、寂しかった なのか・・・。そこが、話の軸になります。そこが、その話で言いたいこと なのです。

その軸を元に、ストーリーを組み立てていくことになります。

 

キャラクターに問いかける

私は、自分自身が題材に対してどう思ったか?ということを軸に話を組み立てることが多いですが、そうじゃない軸で話を組み立てる人もいます。

「キャラクターが勝手に動く」という言い方を聞いたことがあるかもしれませんが、お話にでてくる登場人物たちに問いかける中で物語を進行させていくタイプのものです。

その二つは、言い方が違うだけで、意味としては同じことをしているのではないかと思っています。

キャラクターが動くというのは、そのキャラクターの性格づけがされており、その性格であれば こういうことをしていくだろう と、作者が想像できるということです。

キャラクターの性格というのはつまり、作者の頭で(意図せずでも)作られていったものであり、そのキャラクターに問いかけていくというのは、つまり間接的に自分に問う行為と考えられます。

 

以上二つ、軸の持ち方の方法を書きました。

やり方はどんな風でもいいです。やりやすい方法を選んでもらったり、みつけてもらったりしながら、話の軸を捉えて、物語を進めてもらえたらと思います。

 

何が起こるのか考える

話の軸、方向性が決まったら、あとは話で起こることを考えるのみです。

ポイントは、欲しいエピソードから考えること です。

お話を作るというと、お話の初めから順番に、出来事を並べて考えていく人も多いですが、それだとありきたりな展開になってしまう可能性があるのでお勧めしません。

どんな風に繋げていくかは後回しで、まずはこんなエピソードがあったらいい、面白いだろうという、目玉となる場面を挙げましょう。

一つだけでなく、思いつくままたくさん挙げてもいいです。

・ト書き(脚本の「台詞」と「台詞」の間に、俳優(キャラクター)の動きや行動などの演出を説明したり、音楽・効果などを指定したりする文章のこと)

・箇条書き

などでエピソードを挙げていくと思いますが、私のやり方は「シーン出し」です。

エピソードの流れとか状況は具体的に決めていかず、ビジュアル的なイメージで「こんな絵(シーン)が欲しい!」という場面を、決めていきます。

そのビジュアルのイメージに近いような画面の画像資料を集めます。

そして、画像で頭のイメージを視覚化して組み立てていきます。

 

詳しいやり方は、次の記事「画面割りをする」で説明します。

 

参考文献

絵本と漫画は、似ていると言われます。漫画家から絵本作家になる人も多い(逆はほぼ聞かないとのこと)と聞きました。

この本では、4人の漫画家の方達のインタビューがまとめられています。

スッキリとした言葉で説明されていない、生の声がとてもリアルで「どんなことを大事に作品を作っているか」「どんな観点で作っているか」などが語られています。

今回の記事で書いた、話の軸の持ち方 の一つ「キャラクターに問いかける」という方法を、漫画家の人は自然にできているような気がしています。

絵と言葉でお話を展開させる漫画の世界、絵本づくりでもとても参考になるエッセンスがたくさん入っているので、お勧めします。


 

*最後までご覧いただきありがとうございました*